伝統品種の白菜を使用

明成高校とふるさとの食文化を学び伝える取り組みから１４年目、創業者の生家（大郷町羽生）で育てられた仙台白菜の伝統品種「松島純２号」を使用した餃子。松島湾の牡蠣エキスを具材に加え、無添加製法で優しい味わいに仕上げています。

空が美しい秋晴れの日に、苗植えを行ないました。

白菜のふるさと、宮城から。シャキシャキの白菜入り。

ふるさとの食文化を生かし、未来に生かしていこうという想い、また復興への願いを込めて、伝統品種「松島純二号」を使用した餃子です。シャキシャキとした歯ごたえが感じられる優しい味わいです。明成高等学校調理科さんと今年は宮城県大郷町羽生の蜂屋さん（当店の創業者の生家）の畑にて取り組ませていただいております。

松島白菜について　～ふるさと「みやぎ」の食文化～

日本の「白菜」は、宮城県の松島湾に浮かぶ浦戸諸島にルーツが あります。白菜の種は、明治期に中国大陸から日本に持ち込まれたのですが、 その時代、日本で栽培・採種した種からは、半分ぐらいしか丸く結球する白菜は作れませんでした。白菜は、その頃の日本で多く栽培されていたカブやコマツナ、ナタネなど、白菜と同じアブラナ科の植物と交雑しやすい性質があったからです。大正時代に入り、宮城県内の研究者たちは、交雑を防ぐ方法として、松島湾に浮かぶ島での採種を試みました。この研究の結果、日本で初めて純度の高い種が採れるようになったのです。この種は「松島白菜」と名付けられました。より一層、品種の改良が進められた「松島白菜」の種は、宮城県内の各地にも供給され、良質な白菜が多く生産されるようになりました。宮城県内で生産された白菜は、大正末期から昭和初期にかけて「仙台白菜」の産地銘柄で東京や横浜等に出荷され、全国にその名をとどろかせました。

大正 11 (１９２２)年、現在の美里町小牛田の地に創業した株式会社渡辺採種場は、現在に至るまで多様な「松島系白菜」の品種を発表しています。この「育種の伝統」は、今も浦戸諸島で続けられている「白菜の採種文化」と共に、これからも大切にしていきたいふるさと「みやぎ」の食文化です。

白菜のふるさと浦戸諸島・野の島　採種文化保存活動のための苗植えの様子

白菜の採種文化の保存活動 塩竃市浦戸野々島にて

みんなの白菜物語プロジェクト

宮城県仙台市にある明成高等学校調理科をはじめ、地域「産官学民」の多様な主体が連携しながら推進する食環境デザインプロジェクト「みんなの白菜物語プロジェクト」は、２０１０年から開始されました。ふるさと「みやぎ」の百年白菜に関する食文化資源を活用した食の学びを実践し、その学びを通して地域の多様な交流を生み出し、広義の地域づくりに貢献しようとする取り組みです。２０１１年３ 月に発生した東日本大震災以降は、宮城・東北・日本の復興を目指す取組として、さらに深化し続けています。ふるさと「みやぎ」の約百年の白菜の歴史を紐解きながら、ふるさとの「大切なものやこと」をこれからの「新しいふるさとづくり」につないでいく、そんな思いがこのプロジェクトには込められているのです。当社では２０１１年秋から塩竈市浦戸野々島でこのプロジェクトの一環で活動が開始された「白菜の採種文化の保存活動」に参画しています。また地元食産業企業としてこのプロジェクトを応援するために、たくさんの取組主体とともに宮城県産の「松島白菜（松島純二号）」を原料とした「松島白菜餃子」の商品化に取り組みました。皆様のふるさとへの「思い」も餃子に包み込みました。

〝蜂屋の恩返し〟と復興への願い

私たちは「みんなの白菜物語プロジェクト」の 熱い思いに強く共感し、宮城県産の松島白菜（松島純二号）を原料とした「松島白菜餃子」を作ることにしました。当社の前身である「蜂屋商店」は、「松島純二号」が誕生した同年の大正 13 （１９２４）年に宮城県の松島湾 に面する塩竈市で創業しました。地元ゆかりの白菜を原料にふるさとの自然や風土、歴史や文化、人々の心はもちろん、復興への願いにも思いをはせながら、従業員一同、心を込めて作りました。是非、心でも味わっていただければ幸いです。

私たちは、「松島白菜餃子」を作ることを通して、浦戸諸島を含む松島湾地域、ふるさと「みやぎ」を少しでも元気にしたいと考えています。宮城県塩竈市にある餃子メーカーとして、これからも精一杯、ふるさとの復興のために頑張ってまいります！