昨日でちょうど一年、私は昨日という日をどのように過ごすべきかと

何日か前から考えておりましたが、やはり家族とともに地元塩釜の実家で、

天皇陛下のお言葉を聞きながら、14時46分という時を過ごしました。

そして、祖母のいる老人福祉施設に行き、塩釜神社に参拝し、先祖の墓参りをし、

ちょうど一年前、石巻から次の日の朝に塩釜に戻ったものの浸水で身動きが取れず、自宅にも

会社にも帰れず、2日目の午前中を過ごしたマックスバリュ塩釜店の屋上に上り、

いろいろなことを考え過ごしました。

この一年、本当にいろいろなことがありました。

先日、尊敬している方から、「貴殿の成長ぶりに舌を巻いた。」と言われました。

自分では成長したかはわかりませんけれど、ふるさとへの想いだったり、

一人ひとりに対しての想いやる気持ちというものは、震災前に比べると全く変わってしまったと思います。

特に、自分の生まれ育った塩釜や、浦戸諸島に対しての気持ちが震災前に比べて

非常に強く想うようになりました。

先日、浦戸諸島の野の島で、いろいろお世話になっている60代の女性の方から、

地盤沈下してしまった土地を1mかさ上げする工事をして住めるようになるのに10年かかると聞きました。

そして、そのことを話題にしている周りのお年寄りたちとこんな会話をしたと伺いました。

「騒いだってしょうがないんだよ、みんな10年たったら、死んでしまうんだから。」

私にとって、本当にショックでした。自分になにも出来ないやりきれなさ。

復興のスピードが遅いというのは、誰の目から見てもわかります。何とかもっとならないものかと

強く思います。

でも、批判しても始まりません。

私たちは、今出来ることをして行かなければいけないと思います。

そのためには、もっと塩釜の人たちとしっかりと連携して共に行動して行かなければ、とも思っております。

いろいろな英知を集め、スピード感を持って、餃子作りがもちろん本業ではありますが、地域の為に

この一年、一緒懸命に励みます。

どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

蜂屋食品株式会社

専務取締役

蜂屋和彦